Ｑ 　会社のプレゼンテーションで、あくびをされちゃった。つまらなかったかな。

　 ヨミドック 　どうでしょう。あくびの原因は様々ですよ。

　 Ｑ 　そもそもあくびはなんで出るの。

　 ヨ 　大きく口をあけて、脳を覚醒させる作用があります。疲労や眠気、空腹などで出やすく、体内リズムやストレスとの関連が指摘されています。退屈も一因ですけれど。

　 Ｑ 　やっぱりそうか。

　 ヨ 　でも、高名な生理学者は、授業中にあくびをする学生について、「決して非難されるべきでない。脳を懸命に覚醒化しようとする努力をむしろ称賛すべきだ」との言葉を残しています。

　 Ｑ 　がんばりの証しと思えば、お互い気が楽かも。

　 ヨ 　体への警告の役割の可能性も忘れないでくださいね。遊牧民は、誰かがあくびをしたら、移動をやめて休む習慣があるそうです。うつ病や起立性低血圧、車酔いなどの病気でもあくびが出やすくなります。失礼だと一方的にとがめず、いたわりも必要でしょう。

　 Ｑ 　防ぐコツはないの？

　 ヨ 　会議や授業では、討論や、参加者に感想や意見を述べてもらう時間を設けると効果的です。合間には、全員でストレッチをして脳を覚醒させましょう。

　 Ｑ 　次のプレゼンでは試してみようかな。

　 ヨ 　次々とあくびをされても落ち込まないで。あくびを見て、自分もあくびが出る、伝染性のあくびがあります。

　 Ｑ 　どうしてうつるの？

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　 ヨ 　知人より友人、友人より家族と、近しい関係ほどうつりやすいという研究結果が出ています。一方、周りへの関心が低く、人の心を読むのが苦手な人にはうつりにくいといわれています。あくびの伝染は、人やチンパンジーなど高い社会性を持った動物に限った現象でもあり、相手への関心や共感の関与が考えられますが、定かではありません。

　 Ｑ 　あくびは、まだわからないことが多いんだね。

　 ヨ 　そう。だから、失礼とか、つまらない証しとかネガティブに受け止めすぎないことが肝要です。

　（中島久美子／取材協力＝大原貴弘・いわき明星大学教授、鈴木郁子・日本保健医療大学教授）

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　ヨミドックは読売新聞の医療介護サイト「ヨミドクター」のお医者さんキャラです。