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夫婦生活を20年以上拒否された50代男性(下)海を越えた恋、妻は離婚拒否

妻に長年セックスを拒否され、インターネットで知り合った女性の住む海外に出かけた男性は、訪ねていった女性の自宅で、初めて結ばれました。


 久しぶりに感じる女性の温かいなめらかな肌と、優しい匂い。まだ太陽の明るい日差しが差し込む部屋で、求め合いました。


 「こんなに楽なことだったんだ、こういうのがパートナーなんだと、感動していました。結婚以来、ずっと拒否され続け、自分が受け入れられるセックスを一度もしたことがなかったのですから」


 終わった後の心地良い疲労の中で、互いのことをゆっくりと語り合いました。彼女も、事前に友人たちに色々相談したそうです。「金めあてじゃないか?」「危険じゃないか?」――。それでも、メールでのやり取りと、空港でのコーヒーショップでのやり取りから、彼女は「この人なら大丈夫」と判断したとのことでした。


 また、彼女も偶然、ある事情で抗うつ剤を飲んでいた時期でした。しばらくは、掃除も炊事もできず、生活が荒れていたそうです。かかりつけの医師からは『パートナーを見つけなさい』とアドバイスされ、思い切って男性との出会いに踏み出したとのことでした。


 それから滞在中、2人はずっと一緒に過ごしました。海外に渡ってからずっと一人で生活してきた女性は、仕事の人間関係を生き生きと語り、車を運転しては様々な名所に連れて行ってくれました。行動力があり自立したその姿は、男性にはまぶしく映りました。一方で、滞在中、彼女は料理に腕をふるい、男性の分の洗濯物も一緒に洗ってくれました。男性は感動を覚えていました。


 「信じられない。洗ってくれるの?」
 「普通のことじゃない?」
 「そんなことないよ」


 妻は子どもと自分の分しか洗濯をせず、男性の分は別に放置されていました。それが普通だと思って、男性は仕事から帰ると、自分の分だけを洗濯する生活を長年続けていました。専業主婦の妻が夫の家事は一切せず、セックスもしない。それがおかしなことなのだということさえ、思ってはいけないような気持ちになっていたのです。


 それから男性は、1年に2、3回彼女のもとを訪れるようになりました。彼女も帰国した時は、共に過ごしてくれるようになりました。


 彼女は親しい友人や仕事仲間にも、男性のことを紹介してくれ、皆で食事をする機会もたくさんありました。2人がどのような関係か、踏み込んで聞く人は誰もいません。ただ、その場ではカップルとして扱い、それでいいのだという姿勢でいることに男性は驚きました。


 「日本だったら、結婚しているのか、どういう関係なのか根掘り葉掘り聞いて、もし結婚している男女がそのように付き合っていたら、非難の嵐でしょう。一方で、彼女が住む国では、社交の場でも性のことはオープンに話しますが、お互いのプライバシーに立ち入らないということは徹底しています。非常に大人の文化だと思いました」


 出会ったばかりの頃、彼女は「他の男と私が寝たら、どうするの?」と聞いてきたことがあります。男性は「乱暴されなきゃ、僕は気にしないよ」と答えました。夫ではないのですから、束縛はできません。


 それでも彼女から、お互いに「決まった相手」と認識し合ったら、あちこちつまみ食いはしないのが、この国の男女の付き合いのルールとも言われました。そういう関係になるまでは互いに自由でも、経口避妊薬(ピル)とコンドームは常識となっているとも聞きました。


 彼女は、今住む国に死ぬまで住み続けたいと話しており、居住権のない男性はこれからも度々互いに訪ね合うという形で関係を続けたいと思っています。再婚は考えていません。


 一方で、男性は、彼女と離れている時は、フェイスブックやメールで毎晩やり取りを続けています。「ただいま」と入れると、「おかえり」と返ってきます。「今日のご飯は何?」「おいしそうだね」「まだ起きてるよ」「早く寝ろよ」――。そんな他愛ないやり取りですが、それさえも、家庭内では得られない男性にとって、大きな喜びでした。


 また、彼女が日本に帰省した時は、彼女の都合に合わせて宿泊施設を借りて、一緒に過ごします。男性が精神科を受診する時、家族は一度もついて来てくれたことがなかったのですが、彼女が一緒について来てくれたことが、男性はとても嬉うれしかったと言います。


 「こういうのが本当はパートナーなんだと思ったんです。互いに思いやって、誰かが自分を気にかけてくれるという感覚です。妻とはほとんど会話もないですし、感謝の言葉も言い合ったことがない。でも、彼女とだと、互いにしょっちゅう『ありがとう』『本当に助かった』と言い合っています。それが自然なんです。そういう思いやりや信頼があるから、普段、何千キロも離れたところにいても、遠くにいる感じがしない。『電車に乗ったら会えそうだね』とよく言っています。彼女との楽しい記憶が、普段の私の生活を支えてくれていると思っています」


 妻とは別居の前に離婚の話し合いをし、「俺の悪口でもいいから、君もカウンセリングに行ってくれ」と頼みましたが、カウンセリングも離婚も拒まれました。「子どもが結婚するまでは籍を入れておいてもいいだろう」と考え、生活費や家賃、社会保険料などを結婚当時と変わらず渡していますが、妻とやり直す気持ちは既にありません。


 彼女はこう聞いてきたことがありました。
 「ねえ、これって不倫なの?」
 男性はこう答えました。
 「これって、名付けようのない関係だよ」


 「彼女と出会わなかったら、二度と私は笑うことはなかったでしょう。自殺願望を抱いていた時はホームに飛び込みそうになるのが怖くて電車にも乗れなくなっていましたが、今では、乗れるようになりました。やれるところまでやっていこうという気持ちにしてくれた彼女への感謝は、死ぬまで続くと思います」
 男性は、これからも彼女とできる限り一緒に過ごしたいと思っています。


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 一部のコメントで、このブログ全体について、「婚外恋愛や婚外パートナーという言い方はおかしいのではないか」「不倫を肯定するのか」という声を頂いています。このブログでは、婚外のセックスや恋愛についての倫理的な判断は棚上げして、性とパートナーシップの危機にもがき、自分なりの解決策を見い出そうとしている人たちの姿を紹介していきたいと考えています。「不倫」という言葉を使わないのは、「人の道にあらず」という否定の価値観が言葉自体に含まれているからです。肯定も否定もしない、中立的な言葉を選びたく、試行錯誤のうえ「婚外恋愛」や「婚外パートナー」「婚外セックス」という言葉をひねり出しています。何かほかにいい案やご意見がございましたら、ぜひコメントでお寄せ下さい。


(終わり)